2008年05月25日

「ファンタジー症候群 - 第三章」



   第三章




 最後に見たものは幻だったのだろうか。俺の知っている陽菜は人が倒れるところを見て笑うような奴じゃない。
 と、朦朧とした意識の中を漂ってる自分に気付き、意識を取り戻そうと足掻く。もちろん意識が戻らないという事もなく、天井が見えた


 最初に見た光景は天井に映った蛍光灯。見知らぬ、天井。といったところだろうか。空間認識能力をフルに回転させ、辺りを見回す。蛍

光灯以外にも日差しが来るようで、三方がカーテンに塞がれて柔和した太陽の光がある。外の風景は見えないが、この場所は分かった。保

健室だ。
 さらに、またしても今まで寝ていたような感覚はない。
 頭を回転させ、なにが起こったか思い出してみる。朝から慌しく、頭がパンクしてしまうのではないかと思うのだが、意外と驚いたりし

ない。というより現実味がない、と言ったほうが的確であろう。
 そして、回想してみる。

 さきほどは朝七時辺りに陽菜に微笑をふっかけられながら意識を失った。陽菜は全てを知っているのだろうかという疑問はこの際どうで
もいいということにしておこう。なんの為に学校へを来ていたのだろうか、ということもだ。数々の疑問に押しつぶされそうになるのだが

。なぜか、それよりも陽菜が敵に廻るということに物凄い恐怖感があった。
 とりあえず時刻を確認しようとする。太陽が照っているのだから早朝やら夜やらということはないだろう。それに学校の保健室だ。
 現時点で人の気配も見えている壁にも時計はなさそうなので、制服のズボンから携帯を取り出そうとして、思い出す。気を失う寸前、陽

菜に取られてその後どうなったのか、と。普通ならあのまま返したりするものだが、陽菜はあたかも自分の持ち物だというように拾ってそ

れを見ていた。
 ポケットの中に手を突っ込む。が、やはり無い。
 念のため胸ポケットやサイドポケットも探してみるが、ない。もちろんだが、陽菜に取られるまでや、学校に登校したときはあった。そ

れは確信をもって言える。
 決して見られて困るものや、消されて困るものはあるわけではないが、悪用されるのは困る。悪用するために取ったのとは違うだろうが

。しかしなぜ取る必要があるのだろうか。それにこれでアレが夢ではないことが証明された。証明されて、愕然とした。俺は完全に非現実
ワールドい巻き込まれてしまっている。

 周りに人の気配が無いのを確認してベットから離れる。隠れる必要も無いが念のためだ。
 カーテンで仕切られているベットとベットの間に時計があり、隣のベットには誰もいない。保険室内にも誰もいないようであった。さっ

そく、時計を見てみると十一時、二分前頃だろうか。
 先ほど気を失ってから四時間。授業のときに気を失っているのであれば二時間眠っていることになる。どちらも共通して偶数時、五五分

頃に気を失っている。単なる偶然だろうか、それとも何らかのからくりなのか。
 恐らく後者であろう。なにかしらのきっかけでもあるに相違ない。

 次の授業が始まるまで三十分はあるので授業へ向かう事にした。
 他のクラスルームの目の前を歩いているのはなんだかサボってるような気分だなーと、能天気なことを抜かしてみる。良くこんな状況下

で冷静でいられるものだ。陽菜が聞いたら真逆の反応をしそうだが。

 いや、これは誰かのドッキリだろうか。
 こんな状況に陥るのは何パーセントほどだろうか。きっと天文学的なゼロという数字がならんでいるであろう。いや、もうゼロといって

も差し支えは無いのかもしれない。どちらにしろ、ドッキリにしては出来すぎているようにしか思えない。なぜ、こんな目にあっているの
か、と考えてもいつも分からないで思考が止まってしまうし、そりゃあこんな状況下で分かると、手をあげる者は早々いないものであろう

。EMP能力に発現してもいないし、第一そんな学校の存在など皆無であろうに。
 しかしあろうことか俺はこんな状況に置かれているのだ。ほんと、うんざりだな。

 そんなこんなで、思考が落ち着くこともなく教室へ到達する。現在時刻は十一時過ぎ。三時間目の中盤辺りだ。確か三時間目は数学だっ
たような気がする。ロッカーに教科書を取りに行く。俺はロッカーに教科書を装備させており、友達に移してもらうことが出来ない宿題や

、テスト前でもない限り持ち帰ることはあったためしがない。
 教科書を取り出している途中、数学だったらそのまんまばっくれればよかったなという思考に行き当たるが、実行するわけにもいかず、

授業に出ることにした。
 後ろの扉からノックして入る。
「おお、どうしたんだ?遅刻か?」
 と初老の数学の教師、
 少し考えて、
「いえ、保健室に行ってて」
 とドアを閉めつつ問いに返答する。
「なんだ?調子悪いのか?」
 っと、どうしよう。世界がおかしくなったとは言えまい。何か言い逃れは――
「あ、貧血です、一時間目に倒れて――」
 そこで言葉に詰まった。倒れて運ばれ、どうして二時間も寝ていたのか、
「そうか、じゃあ出席扱いでいいなー」
 と言いながら先生はクラス名簿やらに書き込みを入れる。細かいところを気にしない先生であったことに感謝する。

 机に戻る途中、陽菜に目が合い、しかしすぐに陽菜の視線は前を向く。普通の動作だが――なんだろう、なにか引っ掛かるような違和感

はあった。
 授業中なので申し訳なさそうな動作で自分の席に着く。
「もうだいじょうぶ?」
 と、後ろから声が掛かる、振りむかずに、ああ、とだけ応える。昼休みにいろいろと陽菜に聞き出そうか。
 
 数学はいつも寝る時間として活用しているのだが、今回は睡魔が襲ってこなかった。保健室で寝ていたからだろうか、さっきまで学校と

家を行き来していたなんて思えないほど疲労が吹っ飛んでいる。それともさっきのは夢であったのか。いや、携帯がなくなっている。それ

はありえないであろう。ではなにか?
 また同じような思考の回転に突入しようとしていた。いくえどもに考えようと思いつくことも無く、まるで精神を削り取るようにただ無

駄な脳の回転をしてしまうだけであった。

 精神的疲労がもうピークに達しようとしている。もう考えるのはやめた。あとで陽菜に情報を吐かせて相談しよう。そうしよう。
 
 


 いつのまにか寝ていたようだ。ちょうどチャイムが鳴り終わっており、休み時間だろうか、黒板の上に掛かっている時計を見ると十二時

三十分。もう四時間目の授業が終ってしまった。一時間も寝てしまったことになるか、よく寝るなぁ。
 そして後ろの席の陽菜を見る。
「すこし話したい事があるんだが、昼休みいいか?」
 と、さっそく陽菜に尋問するべく、割と真剣に陽菜に向かう。しかし――
「どうしたの?いやに真面目な顔して、告白?」
「違う、馬鹿か。今日は弁当か?」
「違うよ、話し掛けたせいで時間ロスしちゃったから――」
 と、壁に掛かっている時計を見ながら、
「――カフェテリアは並ぶし、購買かな?」
 そう――。この学校に来てまず思うことはまず一つ、カフェテリアの厨房は絶対人手不足だ、ということだ。カフェテリアの席の数に対

して人員が決定的に少ないということなのだが、カフェテリアが開始されると同時に購買も閉鎖になったのだがあまりにも効率が低いため

生徒会で購買を縮小開店させることになったようである。
 なにがともあれ一緒に弁当を食べるのは不本意だが、陽菜も購買組のようで先にカフェテリアの席を先にとっておいてもらい、俺が購買

に買いに行く事にした。というのも相談費だとかいって強制的に奢らされただけだが。
 
 陽菜のご要望はカスタードクリームパン、メロンパン、チョココロネ。俺ってものすごい痛い人に思われるんじゃないかね、いろんな意

味で。
 自分用に焼きそばパンとカツサンドとレタスサンドも加え、レジに並びながら考える。――本当にあれは陽菜だったのか?今現在陽菜は

なんも変哲もなく登校してきて接している。なにごともなかったようにだ。別段変わった様子はないし、陽菜自身もなにも言ってこない。

なにがあろうが今から吐かせてやるが。
 レジで会計を済ませると陽菜が手を振って席の場所を示していた。小走りで机へと向かう。

「今日の朝6時から7時ごろまでなにかしていたか?」
 直球で聞くことにした。
「んん?何かな?人のプライバシーを聞き出すなんて遠回しに同居のお誘い?」
 このざま。
「違う、どうしたらそう繋がる。割と真剣に聞いてるんだが」
「そうなの?どうしたの?朝から様子おかしいしね、一時間目には倒れるは、二時間目も三時間目も見に行ったのに起きなかったしね」
 そうやって笑いながら言う。これがいつもと同じ日常かというように。いや、そのとおりなんだが。
「ああ、どうもおかしいな。俺はお前が思っているより酷くおかしい目に遭ってるんだ、笑い事じゃないほど」
 半分苦笑で、珍しく真剣な口調で言ったのが通じたのか、獲物を前にした猫が自分なりの行儀正しさをアピールしているような目つきを

した。
「詳細詳細!」
 楽しそうに聞いてきやがる、俺も困ったように手をあげながら、
「とりあえず七時代になにをしていたか言ってくれ」
「んむ〜と、……ずっと寝てたと思うよ、深夜イベント無かったし、昨日のアニメの最終終了時間は3時ごろだったから。でもなんで?」
 本当だろうか、
「ああ、信じるか分からないから直球で言うぞ。さっき倒れた原因は脳震盪とか貧血じゃない不自然な頭痛だったんだ。それで起きたら自

分の部屋にいた」
 やや間を空けてから、
「……は?」
 頭がおかしくなったのかと顔をのぞいておでこに手を当ててくる陽菜をよけつつ反応する。
「は?と言われても、んでその部屋に居たときの時刻が今日の朝五時ごろ。それでやることも無いから学校へ行ったんだよ、そしたらお前

がいて―ー」
 ある程度の情報をすべて話す。
「――はぁ……。つまり時間遡行っていうやつ?というか頭大丈夫?」
「信じてるか信じていないか分かりづらい反応は止めろ」
 少し考えてから陽菜は、
「まあ信じるにゃあ信じるけど――なにか証拠みたいのがあればね」
 ――証拠なんてあっただろうか。――いや、あった。
「ああ、今お前携帯持ってないか?」
「持ってるよ」
 と言いながら自前の携帯を取り出した、
「あ、いや、俺の。お前が朝に取っていったんだよ」
「どういうこと?」
 どうやら全て陽菜に言わなくてはならないようだ。
 思い出すだけでも鬱になりそうな話を最初から最後まで話すしかないか。

 ――そして言い終えた今。相槌を打ったり質問したりと、信じているかは定かではないが、話はしっかりと聞いてくれた。
「つまり私が前の席の人が倒れるのをヤンデレがごとく見守って携帯を盗んだ、と」
「つまりはそういうことだな、一部軽く無視するが」
 ちなみに手紙の事に関しては伏せておいた。もし陽菜が差出人であれば言わずとも分かっている筈だし、なにしろある一線の可能性も捨

てきれないこともあるからだ。
「ということはなんだ?お前は朝、何もしていないと?」
「うん、とりあえず私が知覚している限りでは」
 と、さらなる懸案を招く事態が起こる。
「やっぱりギャルゲ主人公になりたいが故に見た夢なんじゃない?」
「んなわけねーだろ」
 それはさっきから考えていた事だ、しかしどう考えてみても夢じゃないからお前に言い出したんだ。
「そうだ、前の席の人の携帯にかけてみる?」
 と、陽菜は指を天井に向けて提案してきた。
「ああ、頼む」

 ――結果は繋がらない。だけならいいものの、電源が入っていないか電波がどーたらとかいう旨を録音された女性アナウンサーが伝えて

きた。
「これはどういうことだ?」
「さあ、……なんでだろうね、この周辺で電波が届かないところなんてないよね」
「ああ、充電も昨日の夜したばかりだし、無くなったとは思えないな。やっぱお前が電源切ったんじゃねえか」
 一番有力なこの説を説く。
「私に夢遊病なんて植え付けられた覚えないんだけど」
「……しかしお前という手がかりが失われた今、何も手がかりがなくなったってことだよな」
 悩ましいことだ、非現実に巻き込まれるだけならず、解決の糸口すらつかめないとは。なんだかな。
「もしかしてパラレルワールドじゃない?」
 陽菜がはっ、と気が付いたように言った。
「は?」
「だから、前の席の人が一時間目に倒れて向かったのは異次元なんじゃない?」
 なにを言い出す、この人は。
「さらに非現実度が上がったような気がするが」
「もともと非現実的な事態に遭ってるんだから今ごろ文句いえるもんじゃないでしょ。それにそっちのほうが辻褄合うんだよ」
 着いていける話題じゃない。と思い、話を逸らす、
「それよりよく信じれるな、こんなこと」
「……なんか今の発言でものすごいやる気なくしたんだけど」
「そりゃすまん、で、なんで信じてくれるんか」
「そりゃあ私を楽しませるために何かしらの企画を立ててくれたとも思ったけど、まさか一時間目に倒れたのを演技とは思えないし、さす

がにそんなこと企画するほどやる気がある人とは思えないし、ね。もうひとつ理由はあるんだけど」
「なんだ?もうひとつって」
「まあ全てが終った時に分かることだよ」
 こいつはどこまで知ってるのか?妙な胸騒ぎがする。
「……それはどれほど説得しても吐かないことなのか?」
「大丈夫だよ、この事件が本当か、っていうことが分かる証拠だけ知ってるだけだから、この事件を知ったのも今だし。本当に私は何も知

らないよ」
「……そうか、信じるが、全てが終ったときに全て教えてくれよ」
 なにか気になることが胸中に残るという事は気持ちのいいものではない。
「前の席の人もちゃんと終ったら全てを教えてねっ」
「ああ、分かってるよ。終ればの話だがな」
 本当に終るのだろうか、奇怪なことがあってそのまま未解決から逃れる事が出来るのは物語のなかだけではないのだろうか。それが懸案

だ。
「で、さっきの話だが、パラレルワールドってなんだ?一気に跳躍したような気がするんだが」
「まあ簡単に言えば異世界跳躍だね、異世界の私は全て知っていて元々その異世界では時間軸がこの世界と四時間ほどマイナス方向にずれ

てて何らかの因果によって行き来しちゃったんじゃない?まあそれにもいくつか疑問が残るけど」
 なんとなく分かる、つまり異世界をへ行ってそこの住人たちとふれあってた、ということだろう。
「ちょっとまて、それじゃああの世界の俺はどうなってる?」
「それは二通りパターンがあると思うよ」
「なんだ?」
「借用移動か、直接移動」
 意味が判らない。
「つまり向こうの世界に移動する際体ごと移動するか、記憶だけ移動するかっていうことだよ」
 ……ああ、つまり身体ごと入れ替わるか、記憶だけが入れ替わるか、ということだな。しかし根本的な疑問は変わりない。
「つまり借用移動の場合は向こうの俺はずっと寝てたってことか?」
「少なくとも保健室に連れて行かれるまでと休み時間は起きてなかったよ、まあこれは携帯が無くなってるから違うと思うんだけど」
「いや、でも一時間目にデジャヴを感じたんだが。これは借用っていう線もありえないことはないと思うんだが」
 ますます分からなくなっていく。陽菜も少し黙り込んでから、
「………………話ややこしくしないでよ!」
「いや、逆切れされても困るんだが。俺も意味判らん」
 ほんと、考えるのも鬱になってくる。これで解決してくれれば反動でかなりすっきりしそうだが。
「で、直接移動っていう場合は片方だけが向こうの世界に干渉したっていう可能性もあるんだよな」
「そゆこと。そうすると向こうの世界の私が携帯取ったていうのが不可解だけど」
 どんな仮定を立てても潰されていく。憂鬱だなぁ。

 とかなんとか議論ていたが、答えは見当たるはずもなく、予鈴が鳴った。
「十二時五十分か、このままいくと五分後にはまた何かしらのアクションがあるかもしれないな」
「どう?頭痛とかするの?」
 心配そうに聞いてくる。
「今のところは何も、頭痛が始まった時刻は五五分ぴったりくらいだからな、まだ五分ほど時間がかかると思う」
 なんだか病気が発症することが避けられない患者みたいだな。
「じゃあまた倒れて運び込むのも面倒だし保健室の前あたりに立っていよ?」
「そうだな、じゃ、倒れたらよろしく頼む」
「――妙な会話だけどまあもし別世界の雄二に入れ替わったら聞き出しておくよ」
「ああ、頼んだ」

 あと少しでまたあの頭痛がやってくる。それまでの時間、考えることくらいはしておこう。
 もし俺が遡行する世界がもしこの世界で単純に時間遡行だとしたらどうだろうか。そうすると陽菜までもが時間遡行したことになるので

はないか?そう考えると陽菜の言うとおり異世界に渡ったというほうが可能性がありそうだ。しかし陽菜はそれはないと言っているのだが
、妙に陽菜が秘密にしていることに帰結しそうだ。今いる陽菜は何かしらの情報を知っており、向うにいた陽菜はすべてを知っているよう
な容姿であったように思える。では陽菜が時間遡行してくるとなると俺たちは何かしら解決することができ、それでいてあの時へやってき

たのだろう。いや、ただ俺が言ったような行動を真似ただけかもしれない。
 陽菜のことだ、何かしら過去を改変したがりそうだ。まあ改変した後の世界が俺たちで、それが故にあのような言動や行動を起こしたの

かもしれない。そうなると何も解決していないということになるが……。
 ホント、なにか手がかりでもあればな。あとは手紙くらいか。この事件と関連していないということはないであろう。時間はまだまだあ

る。

「まだかな」
 と、早く終われという意味での心境を打ち明けても何事かある訳もなく、ただ厄介者が、
「この状況を楽しむなんて、かなり適応してきたんだね、主人公に」
「楽しんでるんじゃない、倦怠に浸ってるんだよ」
「それじゃあ完璧に認定だね!」
 笑顔で親指を天へ突き立てる。
「なぜだ」
「普通なら好んで顔突っ込むところなんだよ、まあ内心は結構楽しんでるっていう」
 例によって陽菜が俺をまたもや墓穴に落としやがった。

 てなこんなでやりあっているうちに頭にノイズが掻ける。頭痛だ。
「もう時間だな、今回も移動するみたいだ」
「これを期にタイムマシンでも開発してノーベル賞でもスニーカー賞でも取れたらいいのにね」
 頭痛が激しくなる。もう視界が掠れてきた
「……後者は意味わからんが、なんとなく同意だ」
 痛みを抑えるため俯く。
「大丈夫?」
 さも心配していなさそうに聞いてくる。
「だ――」
 ――いじょうぶじゃない、と言おうとするが声がでない。額が湿る
 がくんっ、と衝撃が来て膝が落ちる。陽菜に跪くようになるが、陽菜もしゃがみ俺の体を支えることだけが判った。
 頭痛だけでなく全身にだるさが増していき、ほぼすべての感覚が消えうせるような感覚。
 その後、意識は闇に落ちた。

posted by にのすけ at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | そりゃ、あれでしょあれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ファンタジー症候群 - 第三章」



   第三章




 最後に見たものは幻だったのだろうか。俺の知っている陽菜は人が倒れるところを見て笑うような奴じゃない。
 と、朦朧とした意識の中を漂ってる自分に気付き、意識を取り戻そうと足掻く。もちろん意識が戻らないという事もなく、天井が見えた


 最初に見た光景は天井に映った蛍光灯。見知らぬ、天井。といったところだろうか。空間認識能力をフルに回転させ、辺りを見回す。蛍

光灯以外にも日差しが来るようで、三方がカーテンに塞がれて柔和した太陽の光がある。外の風景は見えないが、この場所は分かった。保

健室だ。
 さらに、またしても今まで寝ていたような感覚はない。
 頭を回転させ、なにが起こったか思い出してみる。朝から慌しく、頭がパンクしてしまうのではないかと思うのだが、意外と驚いたりし

ない。というより現実味がない、と言ったほうが的確であろう。
 そして、回想してみる。

 さきほどは朝七時辺りに陽菜に微笑をふっかけられながら意識を失った。陽菜は全てを知っているのだろうかという疑問はこの際どうで
もいいということにしておこう。なんの為に学校へを来ていたのだろうか、ということもだ。数々の疑問に押しつぶされそうになるのだが

。なぜか、それよりも陽菜が敵に廻るということに物凄い恐怖感があった。
 とりあえず時刻を確認しようとする。太陽が照っているのだから早朝やら夜やらということはないだろう。それに学校の保健室だ。
 現時点で人の気配も見えている壁にも時計はなさそうなので、制服のズボンから携帯を取り出そうとして、思い出す。気を失う寸前、陽

菜に取られてその後どうなったのか、と。普通ならあのまま返したりするものだが、陽菜はあたかも自分の持ち物だというように拾ってそ

れを見ていた。
 ポケットの中に手を突っ込む。が、やはり無い。
 念のため胸ポケットやサイドポケットも探してみるが、ない。もちろんだが、陽菜に取られるまでや、学校に登校したときはあった。そ

れは確信をもって言える。
 決して見られて困るものや、消されて困るものはあるわけではないが、悪用されるのは困る。悪用するために取ったのとは違うだろうが

。しかしなぜ取る必要があるのだろうか。それにこれでアレが夢ではないことが証明された。証明されて、愕然とした。俺は完全に非現実
ワールドい巻き込まれてしまっている。

 周りに人の気配が無いのを確認してベットから離れる。隠れる必要も無いが念のためだ。
 カーテンで仕切られているベットとベットの間に時計があり、隣のベットには誰もいない。保険室内にも誰もいないようであった。さっ

そく、時計を見てみると十一時、二分前頃だろうか。
 先ほど気を失ってから四時間。授業のときに気を失っているのであれば二時間眠っていることになる。どちらも共通して偶数時、五五分

頃に気を失っている。単なる偶然だろうか、それとも何らかのからくりなのか。
 恐らく後者であろう。なにかしらのきっかけでもあるに相違ない。

 次の授業が始まるまで三十分はあるので授業へ向かう事にした。
 他のクラスルームの目の前を歩いているのはなんだかサボってるような気分だなーと、能天気なことを抜かしてみる。良くこんな状況下

で冷静でいられるものだ。陽菜が聞いたら真逆の反応をしそうだが。

 いや、これは誰かのドッキリだろうか。
 こんな状況に陥るのは何パーセントほどだろうか。きっと天文学的なゼロという数字がならんでいるであろう。いや、もうゼロといって

も差し支えは無いのかもしれない。どちらにしろ、ドッキリにしては出来すぎているようにしか思えない。なぜ、こんな目にあっているの
か、と考えてもいつも分からないで思考が止まってしまうし、そりゃあこんな状況下で分かると、手をあげる者は早々いないものであろう

。EMP能力に発現してもいないし、第一そんな学校の存在など皆無であろうに。
 しかしあろうことか俺はこんな状況に置かれているのだ。ほんと、うんざりだな。

 そんなこんなで、思考が落ち着くこともなく教室へ到達する。現在時刻は十一時過ぎ。三時間目の中盤辺りだ。確か三時間目は数学だっ
たような気がする。ロッカーに教科書を取りに行く。俺はロッカーに教科書を装備させており、友達に移してもらうことが出来ない宿題や

、テスト前でもない限り持ち帰ることはあったためしがない。
 教科書を取り出している途中、数学だったらそのまんまばっくれればよかったなという思考に行き当たるが、実行するわけにもいかず、

授業に出ることにした。
 後ろの扉からノックして入る。
「おお、どうしたんだ?遅刻か?」
 と初老の数学の教師、
 少し考えて、
「いえ、保健室に行ってて」
 とドアを閉めつつ問いに返答する。
「なんだ?調子悪いのか?」
 っと、どうしよう。世界がおかしくなったとは言えまい。何か言い逃れは――
「あ、貧血です、一時間目に倒れて――」
 そこで言葉に詰まった。倒れて運ばれ、どうして二時間も寝ていたのか、
「そうか、じゃあ出席扱いでいいなー」
 と言いながら先生はクラス名簿やらに書き込みを入れる。細かいところを気にしない先生であったことに感謝する。

 机に戻る途中、陽菜に目が合い、しかしすぐに陽菜の視線は前を向く。普通の動作だが――なんだろう、なにか引っ掛かるような違和感

はあった。
 授業中なので申し訳なさそうな動作で自分の席に着く。
「もうだいじょうぶ?」
 と、後ろから声が掛かる、振りむかずに、ああ、とだけ応える。昼休みにいろいろと陽菜に聞き出そうか。
 
 数学はいつも寝る時間として活用しているのだが、今回は睡魔が襲ってこなかった。保健室で寝ていたからだろうか、さっきまで学校と

家を行き来していたなんて思えないほど疲労が吹っ飛んでいる。それともさっきのは夢であったのか。いや、携帯がなくなっている。それ

はありえないであろう。ではなにか?
 また同じような思考の回転に突入しようとしていた。いくえどもに考えようと思いつくことも無く、まるで精神を削り取るようにただ無

駄な脳の回転をしてしまうだけであった。

 精神的疲労がもうピークに達しようとしている。もう考えるのはやめた。あとで陽菜に情報を吐かせて相談しよう。そうしよう。
 
 


 いつのまにか寝ていたようだ。ちょうどチャイムが鳴り終わっており、休み時間だろうか、黒板の上に掛かっている時計を見ると十二時

三十分。もう四時間目の授業が終ってしまった。一時間も寝てしまったことになるか、よく寝るなぁ。
 そして後ろの席の陽菜を見る。
「すこし話したい事があるんだが、昼休みいいか?」
 と、さっそく陽菜に尋問するべく、割と真剣に陽菜に向かう。しかし――
「どうしたの?いやに真面目な顔して、告白?」
「違う、馬鹿か。今日は弁当か?」
「違うよ、話し掛けたせいで時間ロスしちゃったから――」
 と、壁に掛かっている時計を見ながら、
「――カフェテリアは並ぶし、購買かな?」
 そう――。この学校に来てまず思うことはまず一つ、カフェテリアの厨房は絶対人手不足だ、ということだ。カフェテリアの席の数に対

して人員が決定的に少ないということなのだが、カフェテリアが開始されると同時に購買も閉鎖になったのだがあまりにも効率が低いため

生徒会で購買を縮小開店させることになったようである。
 なにがともあれ一緒に弁当を食べるのは不本意だが、陽菜も購買組のようで先にカフェテリアの席を先にとっておいてもらい、俺が購買

に買いに行く事にした。というのも相談費だとかいって強制的に奢らされただけだが。
 
 陽菜のご要望はカスタードクリームパン、メロンパン、チョココロネ。俺ってものすごい痛い人に思われるんじゃないかね、いろんな意

味で。
 自分用に焼きそばパンとカツサンドとレタスサンドも加え、レジに並びながら考える。――本当にあれは陽菜だったのか?今現在陽菜は

なんも変哲もなく登校してきて接している。なにごともなかったようにだ。別段変わった様子はないし、陽菜自身もなにも言ってこない。

なにがあろうが今から吐かせてやるが。
 レジで会計を済ませると陽菜が手を振って席の場所を示していた。小走りで机へと向かう。

「今日の朝6時から7時ごろまでなにかしていたか?」
 直球で聞くことにした。
「んん?何かな?人のプライバシーを聞き出すなんて遠回しに同居のお誘い?」
 このざま。
「違う、どうしたらそう繋がる。割と真剣に聞いてるんだが」
「そうなの?どうしたの?朝から様子おかしいしね、一時間目には倒れるは、二時間目も三時間目も見に行ったのに起きなかったしね」
 そうやって笑いながら言う。これがいつもと同じ日常かというように。いや、そのとおりなんだが。
「ああ、どうもおかしいな。俺はお前が思っているより酷くおかしい目に遭ってるんだ、笑い事じゃないほど」
 半分苦笑で、珍しく真剣な口調で言ったのが通じたのか、獲物を前にした猫が自分なりの行儀正しさをアピールしているような目つきを

した。
「詳細詳細!」
 楽しそうに聞いてきやがる、俺も困ったように手をあげながら、
「とりあえず七時代になにをしていたか言ってくれ」
「んむ〜と、……ずっと寝てたと思うよ、深夜イベント無かったし、昨日のアニメの最終終了時間は3時ごろだったから。でもなんで?」
 本当だろうか、
「ああ、信じるか分からないから直球で言うぞ。さっき倒れた原因は脳震盪とか貧血じゃない不自然な頭痛だったんだ。それで起きたら自

分の部屋にいた」
 やや間を空けてから、
「……は?」
 頭がおかしくなったのかと顔をのぞいておでこに手を当ててくる陽菜をよけつつ反応する。
「は?と言われても、んでその部屋に居たときの時刻が今日の朝五時ごろ。それでやることも無いから学校へ行ったんだよ、そしたらお前

がいて―ー」
 ある程度の情報をすべて話す。
「――はぁ……。つまり時間遡行っていうやつ?というか頭大丈夫?」
「信じてるか信じていないか分かりづらい反応は止めろ」
 少し考えてから陽菜は、
「まあ信じるにゃあ信じるけど――なにか証拠みたいのがあればね」
 ――証拠なんてあっただろうか。――いや、あった。
「ああ、今お前携帯持ってないか?」
「持ってるよ」
 と言いながら自前の携帯を取り出した、
「あ、いや、俺の。お前が朝に取っていったんだよ」
「どういうこと?」
 どうやら全て陽菜に言わなくてはならないようだ。
 思い出すだけでも鬱になりそうな話を最初から最後まで話すしかないか。

 ――そして言い終えた今。相槌を打ったり質問したりと、信じているかは定かではないが、話はしっかりと聞いてくれた。
「つまり私が前の席の人が倒れるのをヤンデレがごとく見守って携帯を盗んだ、と」
「つまりはそういうことだな、一部軽く無視するが」
 ちなみに手紙の事に関しては伏せておいた。もし陽菜が差出人であれば言わずとも分かっている筈だし、なにしろある一線の可能性も捨

てきれないこともあるからだ。
「ということはなんだ?お前は朝、何もしていないと?」
「うん、とりあえず私が知覚している限りでは」
 と、さらなる懸案を招く事態が起こる。
「やっぱりギャルゲ主人公になりたいが故に見た夢なんじゃない?」
「んなわけねーだろ」
 それはさっきから考えていた事だ、しかしどう考えてみても夢じゃないからお前に言い出したんだ。
「そうだ、前の席の人の携帯にかけてみる?」
 と、陽菜は指を天井に向けて提案してきた。
「ああ、頼む」

 ――結果は繋がらない。だけならいいものの、電源が入っていないか電波がどーたらとかいう旨を録音された女性アナウンサーが伝えて

きた。
「これはどういうことだ?」
「さあ、……なんでだろうね、この周辺で電波が届かないところなんてないよね」
「ああ、充電も昨日の夜したばかりだし、無くなったとは思えないな。やっぱお前が電源切ったんじゃねえか」
 一番有力なこの説を説く。
「私に夢遊病なんて植え付けられた覚えないんだけど」
「……しかしお前という手がかりが失われた今、何も手がかりがなくなったってことだよな」
 悩ましいことだ、非現実に巻き込まれるだけならず、解決の糸口すらつかめないとは。なんだかな。
「もしかしてパラレルワールドじゃない?」
 陽菜がはっ、と気が付いたように言った。
「は?」
「だから、前の席の人が一時間目に倒れて向かったのは異次元なんじゃない?」
 なにを言い出す、この人は。
「さらに非現実度が上がったような気がするが」
「もともと非現実的な事態に遭ってるんだから今ごろ文句いえるもんじゃないでしょ。それにそっちのほうが辻褄合うんだよ」
 着いていける話題じゃない。と思い、話を逸らす、
「それよりよく信じれるな、こんなこと」
「……なんか今の発言でものすごいやる気なくしたんだけど」
「そりゃすまん、で、なんで信じてくれるんか」
「そりゃあ私を楽しませるために何かしらの企画を立ててくれたとも思ったけど、まさか一時間目に倒れたのを演技とは思えないし、さす

がにそんなこと企画するほどやる気がある人とは思えないし、ね。もうひとつ理由はあるんだけど」
「なんだ?もうひとつって」
「まあ全てが終った時に分かることだよ」
 こいつはどこまで知ってるのか?妙な胸騒ぎがする。
「……それはどれほど説得しても吐かないことなのか?」
「大丈夫だよ、この事件が本当か、っていうことが分かる証拠だけ知ってるだけだから、この事件を知ったのも今だし。本当に私は何も知

らないよ」
「……そうか、信じるが、全てが終ったときに全て教えてくれよ」
 なにか気になることが胸中に残るという事は気持ちのいいものではない。
「前の席の人もちゃんと終ったら全てを教えてねっ」
「ああ、分かってるよ。終ればの話だがな」
 本当に終るのだろうか、奇怪なことがあってそのまま未解決から逃れる事が出来るのは物語のなかだけではないのだろうか。それが懸案

だ。
「で、さっきの話だが、パラレルワールドってなんだ?一気に跳躍したような気がするんだが」
「まあ簡単に言えば異世界跳躍だね、異世界の私は全て知っていて元々その異世界では時間軸がこの世界と四時間ほどマイナス方向にずれ

てて何らかの因果によって行き来しちゃったんじゃない?まあそれにもいくつか疑問が残るけど」
 なんとなく分かる、つまり異世界をへ行ってそこの住人たちとふれあってた、ということだろう。
「ちょっとまて、それじゃああの世界の俺はどうなってる?」
「それは二通りパターンがあると思うよ」
「なんだ?」
「借用移動か、直接移動」
 意味が判らない。
「つまり向こうの世界に移動する際体ごと移動するか、記憶だけ移動するかっていうことだよ」
 ……ああ、つまり身体ごと入れ替わるか、記憶だけが入れ替わるか、ということだな。しかし根本的な疑問は変わりない。
「つまり借用移動の場合は向こうの俺はずっと寝てたってことか?」
「少なくとも保健室に連れて行かれるまでと休み時間は起きてなかったよ、まあこれは携帯が無くなってるから違うと思うんだけど」
「いや、でも一時間目にデジャヴを感じたんだが。これは借用っていう線もありえないことはないと思うんだが」
 ますます分からなくなっていく。陽菜も少し黙り込んでから、
「………………話ややこしくしないでよ!」
「いや、逆切れされても困るんだが。俺も意味判らん」
 ほんと、考えるのも鬱になってくる。これで解決してくれれば反動でかなりすっきりしそうだが。
「で、直接移動っていう場合は片方だけが向こうの世界に干渉したっていう可能性もあるんだよな」
「そゆこと。そうすると向こうの世界の私が携帯取ったていうのが不可解だけど」
 どんな仮定を立てても潰されていく。憂鬱だなぁ。

 とかなんとか議論ていたが、答えは見当たるはずもなく、予鈴が鳴った。
「十二時五十分か、このままいくと五分後にはまた何かしらのアクションがあるかもしれないな」
「どう?頭痛とかするの?」
 心配そうに聞いてくる。
「今のところは何も、頭痛が始まった時刻は五五分ぴったりくらいだからな、まだ五分ほど時間がかかると思う」
 なんだか病気が発症することが避けられない患者みたいだな。
「じゃあまた倒れて運び込むのも面倒だし保健室の前あたりに立っていよ?」
「そうだな、じゃ、倒れたらよろしく頼む」
「――妙な会話だけどまあもし別世界の雄二に入れ替わったら聞き出しておくよ」
「ああ、頼んだ」

 あと少しでまたあの頭痛がやってくる。それまでの時間、考えることくらいはしておこう。
 もし俺が遡行する世界がもしこの世界で単純に時間遡行だとしたらどうだろうか。そうすると陽菜までもが時間遡行したことになるので

はないか?そう考えると陽菜の言うとおり異世界に渡ったというほうが可能性がありそうだ。しかし陽菜はそれはないと言っているのだが
、妙に陽菜が秘密にしていることに帰結しそうだ。今いる陽菜は何かしらの情報を知っており、向うにいた陽菜はすべてを知っているよう
な容姿であったように思える。では陽菜が時間遡行してくるとなると俺たちは何かしら解決することができ、それでいてあの時へやってき

たのだろう。いや、ただ俺が言ったような行動を真似ただけかもしれない。
 陽菜のことだ、何かしら過去を改変したがりそうだ。まあ改変した後の世界が俺たちで、それが故にあのような言動や行動を起こしたの

かもしれない。そうなると何も解決していないということになるが……。
 ホント、なにか手がかりでもあればな。あとは手紙くらいか。この事件と関連していないということはないであろう。時間はまだまだあ

る。

「まだかな」
 と、早く終われという意味での心境を打ち明けても何事かある訳もなく、ただ厄介者が、
「この状況を楽しむなんて、かなり適応してきたんだね、主人公に」
「楽しんでるんじゃない、倦怠に浸ってるんだよ」
「それじゃあ完璧に認定だね!」
 笑顔で親指を天へ突き立てる。
「なぜだ」
「普通なら好んで顔突っ込むところなんだよ、まあ内心は結構楽しんでるっていう」
 例によって陽菜が俺をまたもや墓穴に落としやがった。

 てなこんなでやりあっているうちに頭にノイズが掻ける。頭痛だ。
「もう時間だな、今回も移動するみたいだ」
「これを期にタイムマシンでも開発してノーベル賞でもスニーカー賞でも取れたらいいのにね」
 頭痛が激しくなる。もう視界が掠れてきた
「……後者は意味わからんが、なんとなく同意だ」
 痛みを抑えるため俯く。
「大丈夫?」
 さも心配していなさそうに聞いてくる。
「だ――」
 ――いじょうぶじゃない、と言おうとするが声がでない。額が湿る
 がくんっ、と衝撃が来て膝が落ちる。陽菜に跪くようになるが、陽菜もしゃがみ俺の体を支えることだけが判った。
 頭痛だけでなく全身にだるさが増していき、ほぼすべての感覚が消えうせるような感覚。
 その後、意識は闇に落ちた。

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2008年05月14日

「ファンタジー症候群 - 第二章」



       第二章





 最後に聞いた言葉はなんだっただろうか?
 起きて最初に思ったことはそれであった。
 
 頭が朦朧としている。目の前は真っ暗な深黒で、しかし、それは目を瞑ってるからだと判る。少しずつ脳に入力されていく情報がはっきりしていった。さっきまでの記憶も戻っていき、自分が妙な頭痛に襲われ授業中に倒れたことを思い出した。しかし――

 目に飛び込んでくる光景は、見慣れた自分の部屋の天井であった。

 身体に異常は見られない。頭を振ったり手をかざしてみたり足をあげてみたりしたのだが……とくに異常は見られなかった。制服は着たままで、授業中倒れてからそのまま親にでも引き渡され、連れてこられたのだろうか、と考える。
 しかし、となるとさっきまで寝ていたのだろうが、さっきまで寝ていた感覚がない。なぜだろうか、いつもベットからは30分くらいたっても起きれないというのに。どのくらい寝ていたのだろうか、というか寝ていたのだろうか。
 
 とりあえず現在時刻を確認するため、自室の壁にかかっているアナログ時計を見ると……五時丁度だろうか、とりあえず午前と午後を雨戸を開けることにした。
 ちなみに俺の部屋は西の窓が一つしかない。朝目覚めが悪いのは日が入ってこないせいかもしれない、とか思ってみたりする。雨戸を開けると、真っ暗だ。既に季節は春。午後ということはないだろう。
 つまり、早朝五時。授業中倒れてから、ほぼ丸一日眠ってしまったことになる。
 朝の五時となれば新聞も届けられている頃だろう。さっそく玄関の自宅ポストの中身を見る。するとやはり新聞がある。見慣れた朝刊だ。記事から目を離し上に書いてある日付を見る。

 ……昨日の日付と同じ?
 
 いや、正確にはさっきまで学校に居た日付と同じということになるか。日付と同じということは……。――考えてもさっぱり思いつかない。朝学校の机で倒れた訳で、どうしたものか、その日の早朝になってる。一言で片付けてしまえば、ありえない。アンビリーバボ。信じることができない。

 あの時なぜ俺は倒れてしまったのだろうか。自分の体は至って健康体であり、今も健康体であることには変わりない。
 そしてあの痛みはデジャヴがあった。既視感というより既痛感というべきなのかもしれない。
 倒れたときの痛みを思い出そうとすれば、それこそさっきまであったみたいに痛みを明確に感じられるし、額に湿りが残ってる気すらする。つまり――、

 夢か?
 いや、それはない。あそこまでリアルな夢はいくら夢を見ることが少ない俺でも夢ではないと認識できるのだ。それに制服を着たまま寝ていたなんてことはない。昨日は帰ってきたら身支度を全て済ませた後、本を一冊読んでそのまま寝たのだ。
 時間遡行か?
 いやいや、それこそありえない。そんなことある訳がない。まだ夢遊病で着替えた、というほうが有力だ。俺にそんな奇怪な症状が現れたとでも考えられたほうがいい。いや、それもないかもしれないのだが。
 なぞるように記憶を辿っていく。
 ……たとえば時間遡行だとしよう。そうするとこの時間帯の俺はどこにいる?
 言わずとも昨日はベットで寝ていたのだ。それとも入れ替わっているのか?さっきまで居た時間に朝寝ていた俺がいて……って、そんなことは確かめようも無い。
 夢という線も同じような感じで思考が行き詰まってしまう。
 ――十分ほどだろうか、そんな同じ事をエンドレスループで思考に込み入っていた自分の頭はスペック不足か。それとも世界が狂っているのか。どちらにしろ今ここで立っていても意味がない。しかし行くところも思い当たらない。こんな暗い時間から――
 ふと学校を思い浮かべて思いついた。朝に得体の知れない誰かから貰った手紙。あれはこの事件に大いに関係しているのではないだろうか。もし今日の朝に置いていったのであらばまだ学校にはない筈だ。夢だったかどうかも確かめられるし、いい機会だ。暗い中学校へ行く事にした。

 家から学校の距離は遠からず近からず。歩いて四十分程度。バスに乗れば二十分程度でつくが、この時間に始発は通っているわけないだろう。都内の中では田舎に部類される場所にあるので、怪しい者として通報される事もない、はずだ。
 走ったりすることもなく、肌寒い夜道を行く。

 太陽が完全に地上へ這い出したあたりで学校に着いた。
 しかし、よくよく考えてみれば宿直の先生にばれる可能性があったりもするわけなのである。たしかピロティーの内には某セキュリティーメーカーのロゴが張ってあったのを思い出す。
 様子を見ながら、やばそうだったら潔く諦めよう。無闇に通報されたくはない。
 ――はて、しかし朝学校にいた時、というよりこれからの世界ではだれからも注意を受けなかった。もし宿直の先生なり、セキュリティー会社の人なりに捕まっていれば何かしらのことは言われるはずだ。だからといって堂々と入るわけにはいかないが。

 こんな非現実的なことを考えるのはなれるものではないだろう。そりゃあ前例が無ければそう考えることもできず、思考が止まるのも仕方が無い。それでもその手の物語はあり、それを参考にしようとするとそれはそれでその本人になんらかの能力があったり、周りに居る奴らが異能やら仕掛け人やらとなるもんだ。しかし俺にそんな心当りもあるはずがなく、果て無き考えをそこら辺に捨てて、学校の門の前に立つ。夜の学校とは昼の学校のイメージと違うものだ、と決まり文句を心の中に呟き、これからやることは軽犯罪だ。と、覚悟を決めて門によじ登る。

 何事もなくよじ登り終え、足音を殺して着地しようとするが、制服が施錠のための鎖にあたり、ちゃらん、と。びくっと驚き、辺りに気を引くが――さすがにこの時間。誰もいない。
 半ば、なぜか緊張と愉楽の入り混じった面持ちで学校への侵入をする。ちょっとしたスネーク気分で楽しんでしまっているのだろうか。
 木に身を隠しながら少しずつピロティーへ近づいていく。もちろん正面玄関からの進入になってしまう。自分の下駄箱があるところはそこだけだ。見を隠すようにそして、恐る恐るピロティーを見る。そこに人影があった。
 やばい!と思いすぐに身を隠す。緊張がピークに達する。宿直の見回りだろうか、その割には小柄だったような気がする。先生なのだろうか。
 再び様子を恐る恐る見る。視力両眼で1.8が伊達ではない事を証明する。この学校の制服だろうか。女子生徒のようだ。
 俺と同じ現象に遭った人がいたのか?なにやら下駄箱を確認している。それとも差出人だろうか。なにが悲しくてこんな時間に――。
 目をこらしていくと、その姿は鮮明いになっていき、それは……見慣れた姿の人だ――、

 なんということだろうか……宇津木陽菜がそこにいた。

 現在時刻を確認する。六時四十分。もうそろそろ帰らなくてはやばい時間だ。しかし陽菜の家はここから歩いて一時間以上、電車に乗って三駅辺りだったはずだ。しかしかばんを持ってる気配はない。
 どうしたものか、目を凝らしてしっかりと見る。見間違いではない。いつも後ろの席にいる陽菜だ。そして立ってる位置は大体俺の下駄箱の真ん前。ちなみに陽菜の下駄箱は確か裏側だったので自分の下駄箱を調べているという事はないだろう。
 やはり陽菜のいたずらなのだろうか。

 やがて陽菜がこちらへ戻ってくる。やばい。さっきから緊張しっぱなしだ。とりあえず物陰に隠れていよう、と、体育倉庫の壁に張り付くように隠れる。様子を見るわけにはいかない。まさか陽菜も見られているとは思わないだろう。いや、それとも見られることを見越してこんな時間に来たのだろうか。さっぱり分からない。訳がわからない。
 足音がしてきて、陽菜が通り過ぎていくのが分かる。そして陽菜の後姿が見える位置になった。緊張が高まる。

 と、突然頭痛がした。いや、もうすでにしていたのかもしれない。緊張で分からなかっただけだったのかもしれない。あれだ、朝の授業の頭痛、奇怪現象の予行。ふと思い、携帯をポケットから取り出す。折りたたみの状態で、サブディスプレイを見る。六時五五分。学校で倒れた時間から二時間前だ。もうすでにサーバーに問い合わせ、時刻合わせは自動に設定してあった。
 そして陽菜の様子を見て、ばれていないかと確認すると、携帯を仕舞おうとした。――しかし、すでに体が動かなかった。やばい、このまま倒れれば陽菜に気付かれる。いや、このまま気が付かれた方がいいだろう。
 膝が地面についた。あまり感覚はない。ただ、立ちくらみがずっと続くような感覚に襲われるだけ。携帯が地面に落ちた、ということが認識できる。そして、完全に体が倒れる。
 陽菜が気付いたようだ。声に助けてくれ、と出そうとするが、……出ない。しかし目の前にいる陽菜の様子がおかしい。目の前に近づいてくる。普通であったら手を貸すなりなんなりしてくれるはずなんだが、倒れている俺を前にして何も声をかけない。朦朧とした頭で何事かと考える。ただでさえスペックの足らない頭だというのに、今日はフル活動しまくっている。
 見上げればスカートの中身が見えそうな距離だったが。頭を上げるほど力も出ないし、見る気もない。しかし、俺を助ける事もなく、なぜか、俺が落とした携帯を拾う。

 なぜ助けない。なぜだ。これは夢なのか?なんだ。なにが起こっている。陽菜は知っているのか?
 疑問より不安が打ち勝ってる。そして――
 
 意識が暗闇に引き込まれそうになる。最後に見た陽菜の顔は。嘲笑うかのような、微笑だった。







さて、一日一回の更新ペースが目標とか言ってた時代の私はどこへやらw

第二話目ですね
きっと次回の更新も間が開きそうです
生暖かい視線でご支援をw
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「ファンタジー症候群 - 第二章」



       第二章





 最後に聞いた言葉はなんだっただろうか?
 起きて最初に思ったことはそれであった。
 
 頭が朦朧としている。目の前は真っ暗な深黒で、しかし、それは目を瞑ってるからだと判る。少しずつ脳に入力されていく情報がはっきりしていった。さっきまでの記憶も戻っていき、自分が妙な頭痛に襲われ授業中に倒れたことを思い出した。しかし――

 目に飛び込んでくる光景は、見慣れた自分の部屋の天井であった。

 身体に異常は見られない。頭を振ったり手をかざしてみたり足をあげてみたりしたのだが……とくに異常は見られなかった。制服は着たままで、授業中倒れてからそのまま親にでも引き渡され、連れてこられたのだろうか、と考える。
 しかし、となるとさっきまで寝ていたのだろうが、さっきまで寝ていた感覚がない。なぜだろうか、いつもベットからは30分くらいたっても起きれないというのに。どのくらい寝ていたのだろうか、というか寝ていたのだろうか。
 
 とりあえず現在時刻を確認するため、自室の壁にかかっているアナログ時計を見ると……五時丁度だろうか、とりあえず午前と午後を雨戸を開けることにした。
 ちなみに俺の部屋は西の窓が一つしかない。朝目覚めが悪いのは日が入ってこないせいかもしれない、とか思ってみたりする。雨戸を開けると、真っ暗だ。既に季節は春。午後ということはないだろう。
 つまり、早朝五時。授業中倒れてから、ほぼ丸一日眠ってしまったことになる。
 朝の五時となれば新聞も届けられている頃だろう。さっそく玄関の自宅ポストの中身を見る。するとやはり新聞がある。見慣れた朝刊だ。記事から目を離し上に書いてある日付を見る。

 ……昨日の日付と同じ?
 
 いや、正確にはさっきまで学校に居た日付と同じということになるか。日付と同じということは……。――考えてもさっぱり思いつかない。朝学校の机で倒れた訳で、どうしたものか、その日の早朝になってる。一言で片付けてしまえば、ありえない。アンビリーバボ。信じることができない。

 あの時なぜ俺は倒れてしまったのだろうか。自分の体は至って健康体であり、今も健康体であることには変わりない。
 そしてあの痛みはデジャヴがあった。既視感というより既痛感というべきなのかもしれない。
 倒れたときの痛みを思い出そうとすれば、それこそさっきまであったみたいに痛みを明確に感じられるし、額に湿りが残ってる気すらする。つまり――、

 夢か?
 いや、それはない。あそこまでリアルな夢はいくら夢を見ることが少ない俺でも夢ではないと認識できるのだ。それに制服を着たまま寝ていたなんてことはない。昨日は帰ってきたら身支度を全て済ませた後、本を一冊読んでそのまま寝たのだ。
 時間遡行か?
 いやいや、それこそありえない。そんなことある訳がない。まだ夢遊病で着替えた、というほうが有力だ。俺にそんな奇怪な症状が現れたとでも考えられたほうがいい。いや、それもないかもしれないのだが。
 なぞるように記憶を辿っていく。
 ……たとえば時間遡行だとしよう。そうするとこの時間帯の俺はどこにいる?
 言わずとも昨日はベットで寝ていたのだ。それとも入れ替わっているのか?さっきまで居た時間に朝寝ていた俺がいて……って、そんなことは確かめようも無い。
 夢という線も同じような感じで思考が行き詰まってしまう。
 ――十分ほどだろうか、そんな同じ事をエンドレスループで思考に込み入っていた自分の頭はスペック不足か。それとも世界が狂っているのか。どちらにしろ今ここで立っていても意味がない。しかし行くところも思い当たらない。こんな暗い時間から――
 ふと学校を思い浮かべて思いついた。朝に得体の知れない誰かから貰った手紙。あれはこの事件に大いに関係しているのではないだろうか。もし今日の朝に置いていったのであらばまだ学校にはない筈だ。夢だったかどうかも確かめられるし、いい機会だ。暗い中学校へ行く事にした。

 家から学校の距離は遠からず近からず。歩いて四十分程度。バスに乗れば二十分程度でつくが、この時間に始発は通っているわけないだろう。都内の中では田舎に部類される場所にあるので、怪しい者として通報される事もない、はずだ。
 走ったりすることもなく、肌寒い夜道を行く。

 太陽が完全に地上へ這い出したあたりで学校に着いた。
 しかし、よくよく考えてみれば宿直の先生にばれる可能性があったりもするわけなのである。たしかピロティーの内には某セキュリティーメーカーのロゴが張ってあったのを思い出す。
 様子を見ながら、やばそうだったら潔く諦めよう。無闇に通報されたくはない。
 ――はて、しかし朝学校にいた時、というよりこれからの世界ではだれからも注意を受けなかった。もし宿直の先生なり、セキュリティー会社の人なりに捕まっていれば何かしらのことは言われるはずだ。だからといって堂々と入るわけにはいかないが。

 こんな非現実的なことを考えるのはなれるものではないだろう。そりゃあ前例が無ければそう考えることもできず、思考が止まるのも仕方が無い。それでもその手の物語はあり、それを参考にしようとするとそれはそれでその本人になんらかの能力があったり、周りに居る奴らが異能やら仕掛け人やらとなるもんだ。しかし俺にそんな心当りもあるはずがなく、果て無き考えをそこら辺に捨てて、学校の門の前に立つ。夜の学校とは昼の学校のイメージと違うものだ、と決まり文句を心の中に呟き、これからやることは軽犯罪だ。と、覚悟を決めて門によじ登る。

 何事もなくよじ登り終え、足音を殺して着地しようとするが、制服が施錠のための鎖にあたり、ちゃらん、と。びくっと驚き、辺りに気を引くが――さすがにこの時間。誰もいない。
 半ば、なぜか緊張と愉楽の入り混じった面持ちで学校への侵入をする。ちょっとしたスネーク気分で楽しんでしまっているのだろうか。
 木に身を隠しながら少しずつピロティーへ近づいていく。もちろん正面玄関からの進入になってしまう。自分の下駄箱があるところはそこだけだ。見を隠すようにそして、恐る恐るピロティーを見る。そこに人影があった。
 やばい!と思いすぐに身を隠す。緊張がピークに達する。宿直の見回りだろうか、その割には小柄だったような気がする。先生なのだろうか。
 再び様子を恐る恐る見る。視力両眼で1.8が伊達ではない事を証明する。この学校の制服だろうか。女子生徒のようだ。
 俺と同じ現象に遭った人がいたのか?なにやら下駄箱を確認している。それとも差出人だろうか。なにが悲しくてこんな時間に――。
 目をこらしていくと、その姿は鮮明いになっていき、それは……見慣れた姿の人だ――、

 なんということだろうか……宇津木陽菜がそこにいた。

 現在時刻を確認する。六時四十分。もうそろそろ帰らなくてはやばい時間だ。しかし陽菜の家はここから歩いて一時間以上、電車に乗って三駅辺りだったはずだ。しかしかばんを持ってる気配はない。
 どうしたものか、目を凝らしてしっかりと見る。見間違いではない。いつも後ろの席にいる陽菜だ。そして立ってる位置は大体俺の下駄箱の真ん前。ちなみに陽菜の下駄箱は確か裏側だったので自分の下駄箱を調べているという事はないだろう。
 やはり陽菜のいたずらなのだろうか。

 やがて陽菜がこちらへ戻ってくる。やばい。さっきから緊張しっぱなしだ。とりあえず物陰に隠れていよう、と、体育倉庫の壁に張り付くように隠れる。様子を見るわけにはいかない。まさか陽菜も見られているとは思わないだろう。いや、それとも見られることを見越してこんな時間に来たのだろうか。さっぱり分からない。訳がわからない。
 足音がしてきて、陽菜が通り過ぎていくのが分かる。そして陽菜の後姿が見える位置になった。緊張が高まる。

 と、突然頭痛がした。いや、もうすでにしていたのかもしれない。緊張で分からなかっただけだったのかもしれない。あれだ、朝の授業の頭痛、奇怪現象の予行。ふと思い、携帯をポケットから取り出す。折りたたみの状態で、サブディスプレイを見る。六時五五分。学校で倒れた時間から二時間前だ。もうすでにサーバーに問い合わせ、時刻合わせは自動に設定してあった。
 そして陽菜の様子を見て、ばれていないかと確認すると、携帯を仕舞おうとした。――しかし、すでに体が動かなかった。やばい、このまま倒れれば陽菜に気付かれる。いや、このまま気が付かれた方がいいだろう。
 膝が地面についた。あまり感覚はない。ただ、立ちくらみがずっと続くような感覚に襲われるだけ。携帯が地面に落ちた、ということが認識できる。そして、完全に体が倒れる。
 陽菜が気付いたようだ。声に助けてくれ、と出そうとするが、……出ない。しかし目の前にいる陽菜の様子がおかしい。目の前に近づいてくる。普通であったら手を貸すなりなんなりしてくれるはずなんだが、倒れている俺を前にして何も声をかけない。朦朧とした頭で何事かと考える。ただでさえスペックの足らない頭だというのに、今日はフル活動しまくっている。
 見上げればスカートの中身が見えそうな距離だったが。頭を上げるほど力も出ないし、見る気もない。しかし、俺を助ける事もなく、なぜか、俺が落とした携帯を拾う。

 なぜ助けない。なぜだ。これは夢なのか?なんだ。なにが起こっている。陽菜は知っているのか?
 疑問より不安が打ち勝ってる。そして――
 
 意識が暗闇に引き込まれそうになる。最後に見た陽菜の顔は。嘲笑うかのような、微笑だった。







さて、一日一回の更新ペースが目標とか言ってた時代の私はどこへやらw

第二話目ですね
きっと次回の更新も間が開きそうです
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ラベル:異世界
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2008年05月10日

「ファンタジー症候群 - 第一章」

 

    第一章


 朝起きれないのは哲学だと思う。
 人間は日が昇ると同時に活動を開始し、日が沈むと同時に睡眠に就くというのが本来の人間の姿に対し、この頃の人間は、朝、日が昇ったらとりあえず起きて、とりあえず活動して、日が沈むと本格的に活動し、日付が変わったところで寝静まるというようなものである。
  
 それは起きられないのも道理であろう。と、親に抗議を申し出たところ、あっさりと『そんなこと言ってないでさっさと顔洗ってきなさい』スルーである。
 まあ、抗議は断念したものの今度は陽菜に申し出て同意を求め、同伴で結衣に抗議した。
 結果は惨敗。『なら早く寝なさい』と一蹴されてしまった。それでも俺はこの哲学を信じているわけだが。
 さてさて、何人くらいがこの哲学に同意することが出来るのだろうか、気になるところである。

 と、よく朝っぱらのだるい頭でそんなこと考えられるな、と思う。意外と朝には現実逃避が得意なのかもしれない。
 ふと、いつものように自室の天井を眺め、さあ二度寝しよう、思い、気付く。体の節々が痛い訳ではないのだが寝ずれたのだろうか、疲労のような感覚が身体にあった。しかし、それ以外何も変わらなく、昨日夜遅くまでベッドの中で本を読んでたのだからそれくらいの事があってもしょうがないか、と頭の中に引っ掛かる思考を捨て去り、十数年間続けてきた朝の動作を今日も繰り返す。いつもと変わらない毎日。頭の中ではそう認識していた。

 しかし世界は動いてしまう、何があろうと。

 いつもどうり登校の道を行く。俺は遅刻するような時刻に家をでることもなく、平均的な頭の悪い男子学生の登校時間とそう変わらない時間に学校にたどり着く。入学したばかりの頃は学校までの道のりをどうにか短くしようと、近道を駆逐したりするのだが、結局学校指定の通学路が一番近かったりして無駄足に終った記憶がある。先輩達も俺と同じ事をやって同じ結論にたどり着くのだろうなと、辺りを見回す。やはりこの道が一番早いと判ってか、皆、この道を歩いていた。
 
 そうこうと考えているうちに学校に到着する。
 そして、下駄箱を開けると、ようやくこの世界の異変に遭遇する事となった。

 ところで、……決して俺はもてる訳ではない。しかし下駄箱の中にファンシーなレターセットが入っていたら誰でも期待くらいはしてしまうものである。そうだよな?自惚れてるとか言われても皆期待というものはしてしまうのさ。
 まあ、その手紙が入っていたわけだが。例のごとくファンシーなレターセットで。
 さっそく周囲の視線に見つからぬように胸ポケットに仕舞い、平装う様に男子トイレへ急行。かばんも置かずに個室へ入るというのはなんかおかしいような気がするが――今はどうでもいい。
 
 と、トイレに入って一息。落ち着いて考えてみればこれは罠なのでは?と思う。陽菜ならこんな事朝飯前にいっちょかましてそうだし。他の誰かがいたずらで入れた可能性もある。
 となると、下駄箱で監視されていたか?
 と、手の内に転がされた感賞を覚えなくも無く、ラブレターとも定かではない紙切れについて考え込む。
 いや、もう個室に入ってる時点で手遅れだろうが。よっぽど慌てていたのか、ここに来るまでさっぱり思い当たらなかった。
 もう一度手紙をみる。昨日の時点ではない手紙。宛名のない手紙。何か手がかりはないかと思い、匂いを嗅ぎそうになる。
 俺変態じゃないか……。
 結局あけてみないことには事が進まず、とりあえず封を開ける。やはりファンシーな手紙で、こう書いてあった。

『今日の3時、新教育棟屋上の踊り場に来てください。』

 まるっこいことで判る。女の字体だろう。見たこともないような気もしなくはないが、ピンとくる字体ではなかった。やはり宛名はなく、差出人はドジッコなのか……いや、業とだろうか。もし陽菜の事だったらやりそうだが……。 
 そして、三時。学校の時間編成を思い出してみる。六時限目と七時限目の間の十分休みであろう。
 しかし時間という問題がある。新教育棟とは西校舎、旧校舎、東校舎、の学び舎郡とは別の主に文化部や会議室、小ホールなどが備わっている棟のことだ。新とつくからに旧もあるのは道理なのだが、なぜか無く、旧教育等と合併したことになってるようだ。ややこしい。2年前に理事長の財閥より援助金が出たため、よりいっそう部活に励むようにと無駄に出来た新しい校舎なのだが、やはり部活なんて作りたいというエンターな人はそうそう居らず、むしろ野球グランドを一つ潰したため、硬球野球・軟球野球・ソフトボール部からは批判されまくったうえ、一年の教室からは対角の点のように一番遠く、あまり好評はされていない。好評されないからに好んで部室に選んだり、専科移動教室に選ばれたりしないので呼び出しスポットとしては絶好なのだが、往復すると走って五分、歩けば十分はかかろうかというくらいだ。休み時間は十分。次の授業がアウトになる。しかし長引く話じゃないからなのかもしれない。

 ともかくトイレからは出て有力な手紙主に確認する事にした。

 しかし、一番の有力であった陽菜説は呆気なく崩壊した。
 現在の時刻は八時二五分。朝のホームルームが始まる五分前であり、予鈴が鳴った五分後である。しかし陽菜はこの学校に来てから一度も予鈴を聞いたことがないのではないかと思うくらいの時刻に登校して来るのである。
 今日も例外ではなく、現にまだ教室には陽菜の姿が見られず、さらに窓から校門を見下ろすとピロティ―に走ってくる陽菜の姿が見えた。――時間にリーズナブルだと褒めればいいのか咎めればいいのか分からないね。
 さすがに陽菜でも二度学校に来るとは思えない。前日も同様、陽菜は聖地で限定商品のイベントがあるとかで先に帰ってしまった。
 次に有力なのは……、
 ――虚しくなってくる。手紙をくれそうな女子がさっぱり思いつかないなんて。
 しかし告白とも分からない手紙にそう勘ぐる必要はない。暇つぶしがてらに行って帰ってくればいいのだ。とでも期待している心に言い訳でもしてみる。……まあ脳内シミュレーションだけは怠らないようにしておくとするが。
 
 文章の通達というのは語弊を呼ぶことが少ないと言うが、本当だろうか。必要最低限の情報だけ渡されても『何のために?』や『誰が?』などと聞きたいことは山々に連なり、年頃の少年の心を弄ぶのである。迷惑この上ない。
 そんな年頃の悩みをぼやきながらシャーペンを回す。ソニックリバース。

 やがて陽菜が各話題で盛り上がってる騒がしい教室に入ってきた。この時間に入ってくるのは先生かこいつだけなので、皆先生かと思って振り向いてしまう。
「っはよ」と簡略化した挨拶めいたものをクラスメイトの皆に振る舞い後ろの席に着く。
 いつもとかわらない。
「顔になにかついてる?」
 と陽菜が定型文句。
「いいや」
 短く返答して前へ向き直るとチャイムが鳴り、同時に担任である新米の先生が入ってきて、クラスメイトはだんだん静かになる。
 そして、俺が一時間目の授業が何かを思い出そうとしていたり、今日の手紙の差出人について考えていると、朝の決まり文句を言い終えた先生が軽快に教室から立ち去り、また騒がしい教室となった。

「なんかあったの?」
 後ろからの声と同時に、シャーペンで学蘭を貫通するような勢いでぶっ刺された。
「痛い」
 振り向かずに反応をする。
「目覚めの悪い前の席の人に新しい刺激を挙げようっていう良心からの行動だよ」
「毎日やってるくせに何が新しい刺激だ」
 あいかわらずの陽菜の行動に倦怠感を抱きながらも少し考える。ここまで自然に振舞われるとなにか引っ掛かるとがある。気のせいだと思うが。
「次の授業ってなんだ?」
「国語の分割授業じゃなかった?」
 見渡すと四分の一ほどが既に教室から出て行っている。俺達はこのまま教室に残り授業を受ける事になっている。
 この学校のシステムで選択式と別に、前半と後半に別れる授業がたまにある。
 急いでロッカーへ教科書を取りに行き。席に戻ると少ししてチャイムが鳴り、先生が入ってくる。
 
 俺が知っている、日常的だ。

 

 授業がはじまってまもなく、ろくに先生の話も聞かず、かといって寝るには早いこの時間。ふとした異変が突然やってきた。
 おかしい。妙な頭痛に襲われている。軽く頭を振ってみが、さっぱりかわらない。頭頂部からじわじわと痛み出すような感覚である。しかも、これにデジャヴを感じた――いや、脳から直接告げられているような感覚だ。この痛みは知っている、つい最近に味わったばかりだと。
 どんどん痛みが増していき顔色が青くなっていくのが自分でも分かる。先生に保健室へ行かせてもらおうか――と、残りの授業の時間を見る。八時五五分――ちょい前か。四〇分に始まり、まだ十五分しか経っていない。
 このままでは倒れてしまう。そう考え、先生に言おうと口を動かす。――しかし、なにかにはばかられるように……声が出ない。
 おかしい。もう一度考えてみる。なぜだ?今日は朝から様子がおかしい。
 やがて痛みも耐えられなくなってくる。これはただの貧血や脳震盪ではない。どこからとも無く沸いてくる痛みの塊だ。特別、ナルコスプシーや雹笠病という訳ではないし、幻痛や狭心病もない。
 だんだん身体も動かなくなってきた。おかしい。なにがおかしいか?おかしいに決まっている、こんなの。とにかく、直感的に普通ではない事態だと告げられた。とうとう視界がぼやけていき、体の感覚が――痛みすらも――なにも感じなくなっていき、……腕で支えていた顔が机に落ちる。ごん。と、

 そして、なにも感じなくなった。
  



結局校正する時間も無く、適当に誤字脱字見つけ出すことくらいしかできませんでした……
まあ嘆いたって見る人も少ないわけでって、それをいっては終わりだろうとかいわれるようなきがしますが…
どうにかしてでも読める文章にはなってるかと思われます。いや、個人的には……

という訳で、早速間をあけてしまいましたが第一章であります
おたのしみを
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「ファンタジー症候群 - 第一章」

 

    第一章


 朝起きれないのは哲学だと思う。
 人間は日が昇ると同時に活動を開始し、日が沈むと同時に睡眠に就くというのが本来の人間の姿に対し、この頃の人間は、朝、日が昇ったらとりあえず起きて、とりあえず活動して、日が沈むと本格的に活動し、日付が変わったところで寝静まるというようなものである。
  
 それは起きられないのも道理であろう。と、親に抗議を申し出たところ、あっさりと『そんなこと言ってないでさっさと顔洗ってきなさい』スルーである。
 まあ、抗議は断念したものの今度は陽菜に申し出て同意を求め、同伴で結衣に抗議した。
 結果は惨敗。『なら早く寝なさい』と一蹴されてしまった。それでも俺はこの哲学を信じているわけだが。
 さてさて、何人くらいがこの哲学に同意することが出来るのだろうか、気になるところである。

 と、よく朝っぱらのだるい頭でそんなこと考えられるな、と思う。意外と朝には現実逃避が得意なのかもしれない。
 ふと、いつものように自室の天井を眺め、さあ二度寝しよう、思い、気付く。体の節々が痛い訳ではないのだが寝ずれたのだろうか、疲労のような感覚が身体にあった。しかし、それ以外何も変わらなく、昨日夜遅くまでベッドの中で本を読んでたのだからそれくらいの事があってもしょうがないか、と頭の中に引っ掛かる思考を捨て去り、十数年間続けてきた朝の動作を今日も繰り返す。いつもと変わらない毎日。頭の中ではそう認識していた。

 しかし世界は動いてしまう、何があろうと。

 いつもどうり登校の道を行く。俺は遅刻するような時刻に家をでることもなく、平均的な頭の悪い男子学生の登校時間とそう変わらない時間に学校にたどり着く。入学したばかりの頃は学校までの道のりをどうにか短くしようと、近道を駆逐したりするのだが、結局学校指定の通学路が一番近かったりして無駄足に終った記憶がある。先輩達も俺と同じ事をやって同じ結論にたどり着くのだろうなと、辺りを見回す。やはりこの道が一番早いと判ってか、皆、この道を歩いていた。
 
 そうこうと考えているうちに学校に到着する。
 そして、下駄箱を開けると、ようやくこの世界の異変に遭遇する事となった。

 ところで、……決して俺はもてる訳ではない。しかし下駄箱の中にファンシーなレターセットが入っていたら誰でも期待くらいはしてしまうものである。そうだよな?自惚れてるとか言われても皆期待というものはしてしまうのさ。
 まあ、その手紙が入っていたわけだが。例のごとくファンシーなレターセットで。
 さっそく周囲の視線に見つからぬように胸ポケットに仕舞い、平装う様に男子トイレへ急行。かばんも置かずに個室へ入るというのはなんかおかしいような気がするが――今はどうでもいい。
 
 と、トイレに入って一息。落ち着いて考えてみればこれは罠なのでは?と思う。陽菜ならこんな事朝飯前にいっちょかましてそうだし。他の誰かがいたずらで入れた可能性もある。
 となると、下駄箱で監視されていたか?
 と、手の内に転がされた感賞を覚えなくも無く、ラブレターとも定かではない紙切れについて考え込む。
 いや、もう個室に入ってる時点で手遅れだろうが。よっぽど慌てていたのか、ここに来るまでさっぱり思い当たらなかった。
 もう一度手紙をみる。昨日の時点ではない手紙。宛名のない手紙。何か手がかりはないかと思い、匂いを嗅ぎそうになる。
 俺変態じゃないか……。
 結局あけてみないことには事が進まず、とりあえず封を開ける。やはりファンシーな手紙で、こう書いてあった。

『今日の3時、新教育棟屋上の踊り場に来てください。』

 まるっこいことで判る。女の字体だろう。見たこともないような気もしなくはないが、ピンとくる字体ではなかった。やはり宛名はなく、差出人はドジッコなのか……いや、業とだろうか。もし陽菜の事だったらやりそうだが……。 
 そして、三時。学校の時間編成を思い出してみる。六時限目と七時限目の間の十分休みであろう。
 しかし時間という問題がある。新教育棟とは西校舎、旧校舎、東校舎、の学び舎郡とは別の主に文化部や会議室、小ホールなどが備わっている棟のことだ。新とつくからに旧もあるのは道理なのだが、なぜか無く、旧教育等と合併したことになってるようだ。ややこしい。2年前に理事長の財閥より援助金が出たため、よりいっそう部活に励むようにと無駄に出来た新しい校舎なのだが、やはり部活なんて作りたいというエンターな人はそうそう居らず、むしろ野球グランドを一つ潰したため、硬球野球・軟球野球・ソフトボール部からは批判されまくったうえ、一年の教室からは対角の点のように一番遠く、あまり好評はされていない。好評されないからに好んで部室に選んだり、専科移動教室に選ばれたりしないので呼び出しスポットとしては絶好なのだが、往復すると走って五分、歩けば十分はかかろうかというくらいだ。休み時間は十分。次の授業がアウトになる。しかし長引く話じゃないからなのかもしれない。

 ともかくトイレからは出て有力な手紙主に確認する事にした。

 しかし、一番の有力であった陽菜説は呆気なく崩壊した。
 現在の時刻は八時二五分。朝のホームルームが始まる五分前であり、予鈴が鳴った五分後である。しかし陽菜はこの学校に来てから一度も予鈴を聞いたことがないのではないかと思うくらいの時刻に登校して来るのである。
 今日も例外ではなく、現にまだ教室には陽菜の姿が見られず、さらに窓から校門を見下ろすとピロティ―に走ってくる陽菜の姿が見えた。――時間にリーズナブルだと褒めればいいのか咎めればいいのか分からないね。
 さすがに陽菜でも二度学校に来るとは思えない。前日も同様、陽菜は聖地で限定商品のイベントがあるとかで先に帰ってしまった。
 次に有力なのは……、
 ――虚しくなってくる。手紙をくれそうな女子がさっぱり思いつかないなんて。
 しかし告白とも分からない手紙にそう勘ぐる必要はない。暇つぶしがてらに行って帰ってくればいいのだ。とでも期待している心に言い訳でもしてみる。……まあ脳内シミュレーションだけは怠らないようにしておくとするが。
 
 文章の通達というのは語弊を呼ぶことが少ないと言うが、本当だろうか。必要最低限の情報だけ渡されても『何のために?』や『誰が?』などと聞きたいことは山々に連なり、年頃の少年の心を弄ぶのである。迷惑この上ない。
 そんな年頃の悩みをぼやきながらシャーペンを回す。ソニックリバース。

 やがて陽菜が各話題で盛り上がってる騒がしい教室に入ってきた。この時間に入ってくるのは先生かこいつだけなので、皆先生かと思って振り向いてしまう。
「っはよ」と簡略化した挨拶めいたものをクラスメイトの皆に振る舞い後ろの席に着く。
 いつもとかわらない。
「顔になにかついてる?」
 と陽菜が定型文句。
「いいや」
 短く返答して前へ向き直るとチャイムが鳴り、同時に担任である新米の先生が入ってきて、クラスメイトはだんだん静かになる。
 そして、俺が一時間目の授業が何かを思い出そうとしていたり、今日の手紙の差出人について考えていると、朝の決まり文句を言い終えた先生が軽快に教室から立ち去り、また騒がしい教室となった。

「なんかあったの?」
 後ろからの声と同時に、シャーペンで学蘭を貫通するような勢いでぶっ刺された。
「痛い」
 振り向かずに反応をする。
「目覚めの悪い前の席の人に新しい刺激を挙げようっていう良心からの行動だよ」
「毎日やってるくせに何が新しい刺激だ」
 あいかわらずの陽菜の行動に倦怠感を抱きながらも少し考える。ここまで自然に振舞われるとなにか引っ掛かるとがある。気のせいだと思うが。
「次の授業ってなんだ?」
「国語の分割授業じゃなかった?」
 見渡すと四分の一ほどが既に教室から出て行っている。俺達はこのまま教室に残り授業を受ける事になっている。
 この学校のシステムで選択式と別に、前半と後半に別れる授業がたまにある。
 急いでロッカーへ教科書を取りに行き。席に戻ると少ししてチャイムが鳴り、先生が入ってくる。
 
 俺が知っている、日常的だ。

 

 授業がはじまってまもなく、ろくに先生の話も聞かず、かといって寝るには早いこの時間。ふとした異変が突然やってきた。
 おかしい。妙な頭痛に襲われている。軽く頭を振ってみが、さっぱりかわらない。頭頂部からじわじわと痛み出すような感覚である。しかも、これにデジャヴを感じた――いや、脳から直接告げられているような感覚だ。この痛みは知っている、つい最近に味わったばかりだと。
 どんどん痛みが増していき顔色が青くなっていくのが自分でも分かる。先生に保健室へ行かせてもらおうか――と、残りの授業の時間を見る。八時五五分――ちょい前か。四〇分に始まり、まだ十五分しか経っていない。
 このままでは倒れてしまう。そう考え、先生に言おうと口を動かす。――しかし、なにかにはばかられるように……声が出ない。
 おかしい。もう一度考えてみる。なぜだ?今日は朝から様子がおかしい。
 やがて痛みも耐えられなくなってくる。これはただの貧血や脳震盪ではない。どこからとも無く沸いてくる痛みの塊だ。特別、ナルコスプシーや雹笠病という訳ではないし、幻痛や狭心病もない。
 だんだん身体も動かなくなってきた。おかしい。なにがおかしいか?おかしいに決まっている、こんなの。とにかく、直感的に普通ではない事態だと告げられた。とうとう視界がぼやけていき、体の感覚が――痛みすらも――なにも感じなくなっていき、……腕で支えていた顔が机に落ちる。ごん。と、

 そして、なにも感じなくなった。
  



結局校正する時間も無く、適当に誤字脱字見つけ出すことくらいしかできませんでした……
まあ嘆いたって見る人も少ないわけでって、それをいっては終わりだろうとかいわれるようなきがしますが…
どうにかしてでも読める文章にはなってるかと思われます。いや、個人的には……

という訳で、早速間をあけてしまいましたが第一章であります
おたのしみを
ラベル:時間遡行
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2008年05月04日

「ファンタジー症候群 - プロローグ」

 SF・アクション・ファンタジー・空想物語などの主人公は何かしらの奇怪な力を持っていたり、周りが奇怪な力なり不思議な現象にやらへと巻き込まれることで成り立つのだと思っている。確かに自分自身で自覚してなくとも、物語に訳のわからないまま己だけを取り込まれることはあるかもしれないが、決してその部類には入らないとする。いや、物語をはじめる上で仮定ではなく結論としてこの事実を語ろう。
 果ても無くこんなことを語っていても何の意味も無く、書き手にとっては『引き』という技なのだろうが、いいかげん本編でもはじめろ、とでも言われそうなほども書いてない今はこんなことを論じてもなんの説得力もないだろう。
 
 それではもうお気づき――いや、すでにそれを期待されていることを期待しているのだが――俺は現世ではありえない、なんとも奇怪な現象に直面していた。



ありきたりの短いプロローグです。
ちなみに最初の案として出たのは陽菜が居ない世界と居る世界というものでした
やはり男のツンデレを忠実に再現しようとしてあえなく失敗した作品でした
原稿用紙200枚に渡り書いてたのですが、没になり少しにゅいにゅ〜いです
乳酸菌取ってきます……

んで次に思いついたのが素直に引きをメインとする時空移動系小説を書こうと思いました
結局それになったのですが、それまでのプロットの数が頭の中に100個は溜まっていそうですw
感情的な要素がさっぱりなく、これも没にしようかと考えたのですが、さすがに原稿用紙100枚に渡る紙を捨てるわけにもいかず、PCに移植してしまいました
という訳で、楽しんでもらえないかもしれませんが、よろしくお願いします

プロローグより長い前書きになってしまいましたw
posted by にのすけ at 21:05| Comment(0) | TrackBack(0) | そりゃ、あれでしょあれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ファンタジー症候群 - プロローグ」

 SF・アクション・ファンタジー・空想物語などの主人公は何かしらの奇怪な力を持っていたり、周りが奇怪な力なり不思議な現象にやらへと巻き込まれることで成り立つのだと思っている。確かに自分自身で自覚してなくとも、物語に訳のわからないまま己だけを取り込まれることはあるかもしれないが、決してその部類には入らないとする。いや、物語をはじめる上で仮定ではなく結論としてこの事実を語ろう。
 果ても無くこんなことを語っていても何の意味も無く、書き手にとっては『引き』という技なのだろうが、いいかげん本編でもはじめろ、とでも言われそうなほども書いてない今はこんなことを論じてもなんの説得力もないだろう。
 
 それではもうお気づき――いや、すでにそれを期待されていることを期待しているのだが――俺は現世ではありえない、なんとも奇怪な現象に直面していた。



ありきたりの短いプロローグです。
ちなみに最初の案として出たのは陽菜が居ない世界と居る世界というものでした
やはり男のツンデレを忠実に再現しようとしてあえなく失敗した作品でした
原稿用紙200枚に渡り書いてたのですが、没になり少しにゅいにゅ〜いです
乳酸菌取ってきます……

んで次に思いついたのが素直に引きをメインとする時空移動系小説を書こうと思いました
結局それになったのですが、それまでのプロットの数が頭の中に100個は溜まっていそうですw
感情的な要素がさっぱりなく、これも没にしようかと考えたのですが、さすがに原稿用紙100枚に渡る紙を捨てるわけにもいかず、PCに移植してしまいました
という訳で、楽しんでもらえないかもしれませんが、よろしくお願いします

プロローグより長い前書きになってしまいましたw
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第100回「一線を超えた買いづらさ」

 「DVD版とテレビ放映版の違いについて昨日見比べてて思ったんだけどね?」
 「またそのネタか」
 「いやー、すでに呆れるまでに至ってるんだ」
 「とっくにだな」
 「放送規制とかに引っかかったネタとか普通にやってるよね」
 「そういや話題になってたな」
 「それで思うんだけどね、比べることで意義があるとかいってDVD買う人よりもエロ要素が充実したことによって買ってると思うんだよね」
 「つまりあれか、お前はいっそのことDVDだけ18禁化してアニメ放映で際どいところまで見せとくって言うんだろ」
 「ふむ、君もイツのまにか鋭くなっていたようだね?私はうれしいよ?」
 「すべてお前の影響だろうけどな」
 「かもね。でも少しニーズが限定されるって言うのが難点だよね」
 「お前にとっては無いがごときだろ」
 「いやいや、それだけじゃなくって女性っていうニーズも考えなきゃだめだよ?意外と需要あるんだから」
 「目の前のがいるとさっぱり説得力ねーな」

第100回目、到達いたしました……
先月は二回しか更新できなかったため今月はたくさんしますよ!
いつまでもつかわかりませんけど……

それでは約束どうり短編小説を公開しようと思います
期待しないでみてください
posted by にのすけ at 20:55| Comment(1) | TrackBack(0) | そりゃ、あれでしょあれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第100回「一線を超えた買いづらさ」

 「DVD版とテレビ放映版の違いについて昨日見比べてて思ったんだけどね?」
 「またそのネタか」
 「いやー、すでに呆れるまでに至ってるんだ」
 「とっくにだな」
 「放送規制とかに引っかかったネタとか普通にやってるよね」
 「そういや話題になってたな」
 「それで思うんだけどね、比べることで意義があるとかいってDVD買う人よりもエロ要素が充実したことによって買ってると思うんだよね」
 「つまりあれか、お前はいっそのことDVDだけ18禁化してアニメ放映で際どいところまで見せとくって言うんだろ」
 「ふむ、君もイツのまにか鋭くなっていたようだね?私はうれしいよ?」
 「すべてお前の影響だろうけどな」
 「かもね。でも少しニーズが限定されるって言うのが難点だよね」
 「お前にとっては無いがごときだろ」
 「いやいや、それだけじゃなくって女性っていうニーズも考えなきゃだめだよ?意外と需要あるんだから」
 「目の前のがいるとさっぱり説得力ねーな」

第100回目、到達いたしました……
先月は二回しか更新できなかったため今月はたくさんしますよ!
いつまでもつかわかりませんけど……

それでは約束どうり短編小説を公開しようと思います
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2008年04月27日

第99回「世界樹の下にあるネタ」

899.jpg
 「最近のオマージュはよくよく考えるとレベルが低かったりするのが多いよね」
 「……いや、わからない」
 「書き手が気づかないだけで、読み手のほうがかえって気づいたりしてるのよね」
 「いや、わからないから」
 「これだからゆとりは……」
 「同感ね」
 「……」
 「まあ書き手はオマージュ手法使って自己満足して終わっちゃうからね、しかたないことだよ」
 「でも意外とこっちでも気づかないことってあるわよね、なんとなくネタなんだろうけど元ネタが判らないとかもあるけど」
 「さりげなく使うことがコツなんだよん、『これって知っててやってるの?』ってかんじでもおk」
 「まあ大体2chであがってたりするんだがな」
 「いやいや、黙認が正義だよ」
 「わからない」
 「結衣も元ネタがほとんど判ってるって言うことはすごいね」
 「なっ、知らないわよ!」
 「さて、この会話で何回オマージュ使ったかな?」
 「使ってたのかよ!?」

最近になってメルブラのAC版に嵌ってきました
B.VerのPC版も買いたいもののお金が……
それよりギター変えました

アイバーですI`ve Soundのステッカー自作してぺったんしてしまいました
899.jpg
まああのくらいであれば痛ギターには分類されないですよねw

にほんブログ村 小説ブログ コメディー小説へ
posted by にのすけ at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | そりゃ、あれでしょあれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第99回「世界樹の下にあるネタ」

899.jpg
 「最近のオマージュはよくよく考えるとレベルが低かったりするのが多いよね」
 「……いや、わからない」
 「書き手が気づかないだけで、読み手のほうがかえって気づいたりしてるのよね」
 「いや、わからないから」
 「これだからゆとりは……」
 「同感ね」
 「……」
 「まあ書き手はオマージュ手法使って自己満足して終わっちゃうからね、しかたないことだよ」
 「でも意外とこっちでも気づかないことってあるわよね、なんとなくネタなんだろうけど元ネタが判らないとかもあるけど」
 「さりげなく使うことがコツなんだよん、『これって知っててやってるの?』ってかんじでもおk」
 「まあ大体2chであがってたりするんだがな」
 「いやいや、黙認が正義だよ」
 「わからない」
 「結衣も元ネタがほとんど判ってるって言うことはすごいね」
 「なっ、知らないわよ!」
 「さて、この会話で何回オマージュ使ったかな?」
 「使ってたのかよ!?」

最近になってメルブラのAC版に嵌ってきました
B.VerのPC版も買いたいもののお金が……
それよりギター変えました

アイバーですI`ve Soundのステッカー自作してぺったんしてしまいました
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2008年04月13日

第98話「サーバーメンテナンス」

 「はぁ……、このタイミングでサーバーメンテナンスかよ」
 「なんのサイト?」
 「GO○ZOのアニメ公式ページ」
 「どんなの?どんなの?」
 「あ、すまん、更新したら元に戻った」
 「……酷いよ?」
 「と、言われてもな、なんでそんなに落ち込む?」
 「サーバーメンテナンスは希少価値だよ?ステータスだよ」
 「さっぱりわからん、特に最後のあたり」
 「なんかうれしくない?そういう公式サイトとかのメンテナンス画面見れるのって」
 「そうか?たしかに限定イベントCGとかがあるのであれば別だが、特にそんなのも無いしな」
 「作る側に少しでも近づけた気がしない?」
 「これだけは断言して言えるが。しない。絶対」
 「……わかってるよぉう、私が周りと違うなんて……」
 「いや、落ち込まれても困る」

さいきんのアニメ公式サイトっていろいろこってますよね
たまたま見かけた404エラーにてかなり吹きました
posted by にのすけ at 22:15| Comment(0) | TrackBack(0) | そりゃ、あれでしょあれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第98話「サーバーメンテナンス」

 「はぁ……、このタイミングでサーバーメンテナンスかよ」
 「なんのサイト?」
 「GO○ZOのアニメ公式ページ」
 「どんなの?どんなの?」
 「あ、すまん、更新したら元に戻った」
 「……酷いよ?」
 「と、言われてもな、なんでそんなに落ち込む?」
 「サーバーメンテナンスは希少価値だよ?ステータスだよ」
 「さっぱりわからん、特に最後のあたり」
 「なんかうれしくない?そういう公式サイトとかのメンテナンス画面見れるのって」
 「そうか?たしかに限定イベントCGとかがあるのであれば別だが、特にそんなのも無いしな」
 「作る側に少しでも近づけた気がしない?」
 「これだけは断言して言えるが。しない。絶対」
 「……わかってるよぉう、私が周りと違うなんて……」
 「いや、落ち込まれても困る」

さいきんのアニメ公式サイトっていろいろこってますよね
たまたま見かけた404エラーにてかなり吹きました
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2008年04月08日

第97回「百拾の王。チーター」

 「またチーターがいるよ」
 「最初のうちは知ると使ってみたくなるもんじゃないか」
 「それはない」
 「……珍しく世に反してない意見だな」
 「なんか引っかかるけど今も昔もチート使う奴なんて外道だよ」
 「おれもそんなにMMOやるわけじゃないが、チート使ってる奴ってレベルが低い奴ばかりだよな」
 「それはね、せっかくチートであげたレベルを通報されてキャラ消されないためにこそこそやってるんだよ」
 「なるほど、でもメーカーもどうしていちいちチートなんてもん作るのか?判らんぞ、意図」
 「さあ、なんかメンテナンス用じゃないの?」
 「ん?いや、ちがうな。思いついたんだが、利用者減らすためじゃないか?」
 「そんなことやらないでしょ」
 「いやいや、非道なユーザーに退会してもらうための道みたいなものじゃないか?」
 「予想左斜め32度辺りからの発想だね」
 「いや、意味わからんが。ID取得者は増えるけどゲーム利用者が減ってくことで上っ面シェアを伸ばしてるんじゃないか、って」
 「そんなこと思いつく君は元チーターかね?書類送検済の」
 「なんか軽く貶された気分だ」
posted by にのすけ at 16:02| Comment(0) | TrackBack(0) | そりゃ、あれでしょあれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第97回「百拾の王。チーター」

 「またチーターがいるよ」
 「最初のうちは知ると使ってみたくなるもんじゃないか」
 「それはない」
 「……珍しく世に反してない意見だな」
 「なんか引っかかるけど今も昔もチート使う奴なんて外道だよ」
 「おれもそんなにMMOやるわけじゃないが、チート使ってる奴ってレベルが低い奴ばかりだよな」
 「それはね、せっかくチートであげたレベルを通報されてキャラ消されないためにこそこそやってるんだよ」
 「なるほど、でもメーカーもどうしていちいちチートなんてもん作るのか?判らんぞ、意図」
 「さあ、なんかメンテナンス用じゃないの?」
 「ん?いや、ちがうな。思いついたんだが、利用者減らすためじゃないか?」
 「そんなことやらないでしょ」
 「いやいや、非道なユーザーに退会してもらうための道みたいなものじゃないか?」
 「予想左斜め32度辺りからの発想だね」
 「いや、意味わからんが。ID取得者は増えるけどゲーム利用者が減ってくことで上っ面シェアを伸ばしてるんじゃないか、って」
 「そんなこと思いつく君は元チーターかね?書類送検済の」
 「なんか軽く貶された気分だ」
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